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「Saiun」はビストロと農園が同じ敷地内にあります!
「Saiun Bistro Sake & Wine」は、チェンマイ郊外にある日本人経営のビストロです。
同じ敷地のオーガニック農園「Saiun eco-friendly farm」で、ビストロの料理で使う野菜や卵などを育ています。
名前の由来は日本語の「彩雲」です。土壌の豊かな農園から見上げる空と雲と風のイメージから名付けられました。街中から外れたロケーションと静かな佇まいの中、素敵な料理とお酒で心も体も癒されます。
オーナーの若山修(わかやまおさむ)さん(1963年東京生まれ)に、お店について聞きました。
ビストロのコンセプト
2021年コロナ禍の真っ最中、本職であるマーケティング・リサーチ業もほとんど仕事もならず、チェンマイにこもる毎日をおくっていました。その中で、いつか体にやさしい食材を使って、楽しくお酒が飲める店をやりたいと思っていたこともあり、農園のコンセプトを具現化できるレストランを考えるようになりました。
身体と心は常に連動しています。 いくら身体にやさしい食べ物を食べたとしても、日々の食生活が楽しく感じられなかったら、意味がありません。 なぜならば、私たちは健康に生きること自体が目的ではなくて、「楽しく幸せを感じて生きること」こそが目的だからです。そのためには、健康な身体はもちろん不可欠です。
基本的には身体にやさしい食べ物で、美味しそうに思え、安心して食べた時に、身体が美味しいと素直に感じられるものを、ご家族や気が合う仲間やパートナーと楽しく食べる。 また、食べ物に合うお酒をお供することで、笑ってリラックスできて、大切な方と楽しい時間を過ごせていただけるような空間を作りたいという想いで、ビストロを始めました。
ファームのコンセプト

ビストロを開く前、知り合いのタイ人から譲り受けたチェンマイの土地の開墾を始めました。そして2021年「人にやさしい、地球にやさしい」というコンセプトで「Saiun eco-friendly farm」の運営を始めました。
ご存じのとおり、世界中で環境が破壊され、グローバル企業による食の支配で、私たちの健康も害されてきています。 とても小さなことですが、「この農園の敷地内だけは、体にも心にも、土地にもやさしい場所にしたい」との想いで、運営をしています。
現在オーガニック認証の取得を目指していますが、認証を取ることのが目的ではなく、「健康な土づくり」を目指しています。健康な土地とは、本来あるべき有用微生物が豊富で、ミミズなどの生物が暮らせる土です。このような土地ができれば、そこに植える作物も健康に育ちます。 そのような、本来あるべき姿の土地を作るということを優先課題として取り組んでいます。
目指すは、無駄をなくし、環境にやさしい循環型社会の縮図
本来あるべき姿の土地を作るためには、化学肥料や除草剤などは一切使えません。 水道の水も使いません。 雨水と地下水のみでの土地作りが必要です。 作物を美味しく収穫するためには、堆肥も必要ですが、全て手作りです。
通常は畝をビニールシートで覆い、雑草を防いだり、水分の乾燥を防ぐことをしますが、ゴミを極力出さないために、紐もシートなどビニールは一切使用していません。紐は麻紐を使用し、ビニールシートの代わりに、藁を使用しています。 鶏の糞は当然肥料として利用しています。 この小さな敷地内だけでも、循環型の環境を目指しています。 ビストロでお出しする野菜もオーガニックですので、ここから出た残飯も、敷地内に穴を掘って発酵させて、将来的には堆肥として使う予定です。
自然に体が欲するもの=美味しいもの
私たちの体は、毎日の食べ物と飲み物でできています。 身体が食べたいと思うもの、食べて美味しいと感じるものが、私たちの食生活の基本だと思っていますし、そういう食生活が、健康を維持する最善の方法だと思っています。 コンビニのお惣菜やラーメンなども美味しいですよね。ですが、この美味しさは、化学調味料などで強制的に脳に美味しいと感じさせているのです。 身体が欲して食べたものは頭ではなく、私たちの五感を通して身体が美味しいと感じるはずです。 そのような、身体が欲する食材を育てたいと考えています。
ビストロでお出しする料理は、もちろん野菜は全てオーガニックまたは無農薬のもの、化学調味料は一切使っていません。
オーガニック認証の申請状況

オーガニックタイランドの認証は、メージョー大学を介して申請中です。 北部のオーガニックタイランドの窓口が、メージョー大学になっていまして、メージョー大学独自の認証は受けています。「オーガニックタイランドの要件を全て満たす」とメージョー大学で判断されたので、まずはメージョー大学での認証が出て、オーガニックタイランドの北部の事務所に、メージョー大学から、当農園の資料が送られている状況です。 今後は、北部のオーガニックタイランドの検査官が視察に来て、問題なければオーガニックタイランド認証の手続きに入ります。
卵も同様の状況ですが、卵はサンパトーン郡の畜産課が、オーガニックタイランドへ書類を上げますので、現在畜産課の査察をパスして、オーガニックタイランドからの査察を待っている状況です。
追記:2024年3月現在、すでにオーガニック認証は完了しております。
メニュー・コースのご紹介
豊富なワインとオーガニック素材の食事
多くの店が、日本酒やワインは、グラスでの提供は少ないと思いますが、当店は、Saiunセレクトの数多い日本酒やワインをすべて「グラス」単位でご注文いただけます。
「気軽に日本酒やワインとのペアリングを楽しんでいただきたい」との想いから、常時10種類以上の日本酒、20種類前後のワインを全てボトルではなく「グラス」で楽しんでいただけます。
日本酒は、一杯250-380バーツ(ワイングラスでのご提供、一杯約150ml)、ワインは一杯150-280バーツでお楽しみいただけます。 お気に入りの料理に合う日本酒やワインをお勧めさせていただきます。 また、いろいろな日本酒やワインの飲み比べもお楽しみいただけますので、お気軽にお声がけください。
お店情報
名称 | Saiun Bistro Wine & Cafe |
住所 | 276, Moo 1 Nam Boluang, ThailandChiang MaiAmphoe San Pa Tong 50120 |
電話 | 081 487 9157 |
https://www.facebook.com/saiun2021/ | |
https://www.instagram.com/saiunbistrowine/ |
場所(マップ)
オーナー・若山 修さん プロフィール

氏名:若山修(わかやま おさむ)
1963年 東京出身
1980年代後半から1990年代
大学卒業後、広告代理店で、マーケティングやメディアプランナなどの仕事を35才ごろまでやっていました。 バブルを体験した最後の世代だと思います。
1990年代〜
クライアントの多くの企業が東アジアや東南アジア各国を生産拠点だけではなく、販売拠点としても検討するようになり、中国、香港、台湾、タイ、ベトナム、マレーシアあたりでの広告制作も含めたマーケティングに関するサポートで、出張にたびたび行くことになったのが、タイとの出会いです。 タイでの仕事が特に多くて、よく出張ベースできていました。
1999年〜
「Gallup」というアメリカのマーケティングコンサルの会社の日本法人に転職し、縁があって、Gallupのタイ法人に2000年に就職したのが、タイでの生活の始まりです。当時は36歳ぐらいだったと思います。 アメリカの会社でしたので、日系企業との仕事があまりなく、一方で広告代理店時代に可愛がってもらっていたクライアントの方とのパイプはまだありました。2003年に独立して、バンコクでマーケティングリサーチをメインとしたマーケティングとコミュニケーションの会社を設立しました。 以降、今もこの会社はバンコクで経営しています。
2021年〜 チェンマイで農園&ビストロを立ち上げ
バンコクで生活していく中で、50才を超えたあたりから、これから先の第二の人生(老後とは考えたくないので、笑)は、漠然とではありますが、今まで酷使してきた自分の身体、お世話になった社会に、何か恩返しができるようなことをやっていきたいと考えるようになり、チェンマイで一時期アーユルベーダをメインとしたリゾートホテルを立ち上げたこともありました。 これはうまくいかずに、収束させました。 この後、この土地の元のオーナーが、私の知人の知人で、大切に使ってくれる人に譲りたいという話が縁があり耳に入り、とても気に入り、購入しました。 この土地ありきで何ができるかと模索した結果、この土地が農業に向いていることもあり、5年ほどまえからオーガニック農法を勉強して、約3年前に開墾に着手して、現在に至っています。
ビストロは、「身体にやさしい」を体感できるような空間として、居心地よく、楽しく飲み食いができる場所にできたらと考えています。
資格ほか
日本酒に関しては、ソムリエの資格にあたる、唎酒師(ききざけし)という日本の資格と、Japan Sake AssiciationのSake Expert という、海外で日本酒を普及させる目的がメインの資格の、2つを持っています。
調理の実務経験ですが、日本にいた時に入り浸っていたスキーのペンションで厨房を手伝っていました。ペンションの奥さんが、フランス料理の講師をされていた方で、そこで基礎を学べました。また、高校生の同級生が、銀座でビストロをやっていて、そこでもいろいろと学べました。
また母が早くして若年性のアルツハイマーになり、しばらく自宅で介護していた時がありまして、ほぼ毎日料理をしていました。 その中で、せっかくなので自分もワインや日本酒と楽しめるようなメニュー作りをしていました。 その経験が今に生きています。
取材後記
今回の取材のきっかけは、山口豆腐店さんでした。豆腐を納めているビストロがとっても素晴らしいから、ぜひ取材してみてくださいというお話をいただきました。いろいろとイベント続きで、かなり遅れて取材を敢行したのですが、その結果は・・・
「なぜもっと早く行かなかったんだろう!」 でした☺️
チェンマイ市内にも多くのオーガニック・レストランはありますが、ゆっくり落ち着いて少人数でお酒や料理に舌鼓を打ちながら過ごせるところは、なかなかありません。
「彩雲(Saiun)」はオーガニックファームとビストロが同じところにあり、新鮮な素材をそのまま生かしたここでしか味わえない料理が楽しめます。
ワイン・シャンパンや、チェンマイではめったに手に入らない日本酒を、グラス一杯から注文できるのも魅力です。実際、記者も初めて飲むお酒がたくさん。若山さんのお酒についてのお話を聞きながら、体に優しい料理をいただく。店内に流れる若山さんお気に入りのジャズの音色も相まって、まるで別世界にいるような至福の時間・・・。
市街地からは車で30分ほどかかる郊外ですが、わざわざ行く価値はあると断言します!
ぜひ一度、足を運んでみてくださいね😊!
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