2025年10月24日、タイのシリキット王太后陛下が崩御されたことを受け、タイ全土が深い悲しみに包まれています。現在は全国的に服喪期間へと入り、国全体が慎ましい雰囲気に移行しています。
この記事では、2025年10月26日タイ時間午前8時時点で確認された政府発表および主要報道をもとに、事業者・在住者・旅行者それぞれが知っておくべき最新状況と注意点を整理しました。
【免責事項】
本記事は、2025年10月26日時点での公式発表や主要報道に基づいています。今後、政府・関係省庁・自治体・イベント主催者などの発表により変更される場合があります。最新情報は必ず公式発表をご確認ください。
目次
チェンマイの最新情報
訃報のあった週末、タニーン市場では黒い洋服が多数売られていました。
セントラル・チェンマイ内の各ブランドも、ディスプレイに黒い服を着たマネキンが並んでいました。
訃報の後、チェンマイのいろいろなお店や銀行その他機関にシリキット王太后陛下の追悼コーナーが設置されました。
国民には喪に服すため、黒またはそれに近い色の服装が推奨されましたが、急に言われても服がないこともあり、以前プミポン国王(ラーマ9世)が亡くなった時にもあったように、黒いリボンで作られた喪章を配るホテルなどもあります。
イベントごと、特に11月の観光の目玉でもあるイーペン祭(ロイクラトン)の実施がされるかどうかの判断は、政府から中止ではなく内容の変更で対応するようにという通達がありました。
ちょっとおやおや、と思ったのはチェンマイ市内のイーペン祭り(ロイクラトン)に向けた街の装飾で、ランタン(โคม / コーム)を逆さまに吊るしている箇所が多数見つかったこと。SNS上でタイ人を中心に批判が殺到してしまいました。
10月31日、問題は一応終結しました。
イーペン祭り(ロイクラトン)期間中の様子
11月3日、雨季は開けたはずなのに大雨☔️でしたが夜7時ごろから少し小ぶりになりました。
市中で蝋燭が灯され、三人の王様像前広場では学生ボランティアによるスタンプラリーや、民族舞踊の披露なども無事実施されました。
政府発表:服喪期間と国民・企業への要請
政府機関・公務員
- 官公庁、国営企業、学校などでは30日間、半旗を掲揚。
- 公務員には1年間、黒または白の服装で喪に服するよう指示。
一般国民・民間企業
強制ではなく「協力要請」として、以下が推奨されています。
- 王太后陛下への哀悼の意を示すこと。
- 90日間は黒や白など落ち着いた服装を心がけること。
- 10月25日から15日間(~11月8日頃)、「過度な娯楽活動(祭り・派手なパーティー等)」を自粛すること。
あくまで国民感情への配慮を求める協力要請であり、法的な強制力はありません。
ナイトライフ・娯楽施設の営業状況
現時点では、政府からバーやカラオケ店、クラブなどに対する営業停止や営業時間短縮命令は出ていません。
多くの店舗で見られる自主的な対応
- 音量を控えめにする、静かな音楽を選曲する。
- ライブやDJイベントの中止・延期。
- 照明・ネオンを落とす。
- 営業時間を短縮する場合もあり。
2016年のプミポン前国王陛下崩御時も、最初の約1ヶ月は自粛ムードが続きました。今回も少なくとも15日間は同様の傾向が続くと見られます。
訪問前には、各店舗のSNS(Facebook、Instagram等)で最新の営業情報を確認してください。
飲食店・ショッピングモール・サービス業の営業
政府からの営業制限は出ておらず、多くの店舗やサービスは通常営業を継続しています。
よく見られる配慮・変化
- 店内BGMが停止または静かな曲に変更。
- スタッフが黒いリボンを着用。
- 営業時間を一時的に調整する場合あり。
季節イベントへの影響(ハロウィン・ロイクラトン)
ハロウィン(10月31日)
政府の「15日間の娯楽自粛要請」(~11月8日頃)期間中にあたるため、ハロウィン関連のパーティーやイベントは中止・縮小の可能性が高いです。
- 路上パーティー、商業施設イベントは中止・延期の可能性。
- バー・クラブでのイベントは開催されたとしても音量・装飾を控えめにする傾向。
- 公共の場での派手な仮装や騒音行為は控えましょう。
ロイクラトン(11月5日予定)
宗教的・文化的行事としての灯籠流し(ロイクラトン)は継続される見込みですが、花火大会やコンサート、美人コンテストなどの娯楽要素は中止または縮小される可能性があります。
例年よりも静かで伝統的な雰囲気になることが予想されます。
※各イベントの最終的な実施可否は主催者・自治体の公式発表を確認してください。
よくある質問(FAQ)
Q1. 黒や白の服装は必須ですか?
一般の方や旅行者への強制はありませんが、敬意を示すため黒・白・グレーなど控えめな服装が推奨されます。特に王宮・寺院・政府関連施設を訪れる際は露出の少ない服装を心がけましょう。
Q2. 観光地は閉鎖されていますか?
多くの観光地(寺院、博物館、公園、商業施設など)は通常通り開いています。ただし王室関連施設は一時閉鎖や時間変更の可能性があるため事前確認を。
Q3. 飲酒は可能ですか?
現時点で禁酒令は出ていません。飲食店やバーでは通常通り提供されていますが、特に最初の15日間は控えめな雰囲気が一般的です。
Q4. イベント(ハロウィン・ロイクラトン)は中止になりますか?
ハロウィンは中止・縮小の可能性が高く、ロイクラトンは伝統行事部分のみ実施の見通しです。必ず主催者情報を確認しましょう。
Q5. 自粛ムードはいつまで続きますか?
娯楽活動の自粛は15日間、服装の配慮は90日間要請されています。社会全体では少なくとも1ヶ月程度は静かな雰囲気が続くと予想されます。
旅行者・在住者が留意すべきマナー
- 服装: 黒・白・グレーなど落ち着いた色を選び、露出を控える。
- 行動: 公共の場での大声・酩酊などは控える。
- SNS: 王室に対する不敬・誤情報の投稿や拡散は厳禁(不敬罪の対象となる可能性があります)。
タイの服喪期間で使える落ち着いたカラー25色
タイでの服喪期間やフォーマルな場でも着用できる、控えめで上品な25色トーンの一覧です。
まとめ
シリキット王太后陛下の崩御により、タイ全土が服喪期間に入りました。現時点では日常生活やビジネスへの強制的な制限は少ないものの、政府による「協力要請」(15日間の娯楽自粛・90日間の服装配慮)を尊重する姿勢が大切です。
タイ国民の深い悲しみに寄り添い、敬意を持った節度ある行動を心がけましょう。
最新情報は必ず、タイ政府・関係省庁・イベント主催者などの公式発表をご確認ください。